今回は、仮想通貨投資についてわかりやすく解説していきます。
仮想通貨の投資のメリットとしては、
利率が高く銀行に預けるよりもはるかにお金を稼ぐことができるようになってきています。
このようなメリットがある一方で、もちろんデメリットも存在します。
それでも、すでに仮想通貨を保有している方や、これから始めようと考えている方にとっては、
投資という選択肢は非常に重要です。
そこで今回は、仮想通貨投資におけるリスク管理の基本について解説し、
あわせて初心者がよくやってしまう失敗例も紹介しながら、
どうすればより安全に仮想通貨を運用できるかをお伝えします。
また、初心者向けに仮想通貨の失敗あるあるをまとめた記事もありますので
よろしければぜひこちらも確認してみてください。
仮想通貨投資における『リスク管理』とは?

仮想通貨投資は、大きな利益を得られるチャンスがあります。
しかし、その一方で値動きの激しさやセキュリティリスクなど、他の投資にはない特有の問題があります。
そのため、仮想通貨の投資をする上では、リスク管理は欠かせません。
今回は事例を踏まえて説明してまいりますので
ご自身の状況と照らし合わせながら、読み進めていっていただければと思います。
リスク管理が必要性
仮想通貨のリスクの一つとして、ある日突然価値が半分ほどに暴落する可能性もあります。
このような状況を事前に予期できていな場合、大きな損失を抱えてしまう恐れがあります。
そこで、事前にどのようなリスクがあるかを把握し
その対策を講じておくことがリスク管理であり、投資をする上で欠かせない考え方となっていきます。
リスク管理:攻めより「守り」
投資というと「いくら儲けるか」を考えてしまいがちですが、
仮想通貨の世界では「いかに損をしないか」という視点が、長期的に資産を増やす上で重要となります。
リスク管理は、「守りの投資」と言えます。
守りさえしっかりしていれば、一時的な値動きに振り回されず、冷静に対応していくことができます。
仮想通貨投資で知っておくべき主なリスクの種類

仮想通貨投資では、リスクと言っても価格の急激な変動だけではありません。
規制、操作ミスなど様々なリスクが存在します。
そこでは、ここでは初心者が知っておくべき代表的なリスクについて詳しく解説していきます。
1. 価格変動リスク(ボラティリティリスク)
仮想通貨市場において最も大きなリスクのひとつが、価格変動(ボラティリティ)です。
これは、価格が短時間で大きく上下する特性を指します。
株式や為替市場に比べて仮想通貨のボラティリティは非常に高く、
1日で数十%の価格変動が起きることも珍しくありません。
価格変動の具体例:
- ビットコイン(BTC)
昨日までは1BTC=500万円だったのが、翌日に450万円へ10%下落。
逆に、1日で10%上昇して550万円になることも。 - アルトコイン(例:イーサリアムやドージコインなど)
小規模な通貨になると、数時間で30〜50%以上の価格変動が起きることもあります。
このように、仮想通貨は値動きが非常に激しく、投資のタイミングによっては短期間で大きな利益を得られる可能性もありますが、同じくらい短期間で大きな損失を被るリスクもあります。
なぜボラティリティが高いのか?
ボラティリティが高い理由として、
以下の項目が挙げられます。
- 市場参加者の大半が個人投資家である
株式市場のように機関投資家や大口投資家が主導するのではなく、
感情に左右されやすい個人投資家の動きが価格に反映されやすい。 - ニュースやSNSの影響力が強い
たとえばイーロン・マスクのツイート1つで、
ドージコインの価格が何倍にも跳ね上がるように、情報に敏感で反応が早い。 - 規制の不透明さ
各国の規制ニュースによって価格が大きく揺れることがある。
例:ある国が仮想通貨取引を禁止 → 市場全体が急落。 - 24時間365日取引が可能
土日祝関係なく取引されているため、常に値動きがあり、ボラティリティが高くなりやすい。
初心者が直面する心理的リスク
初心者はボラティリティによって以下のような行動に陥りやすいです。
- 急落に驚いてパニック売りをしてしまう
→ 実際には一時的な調整だったケースも。 - 損切りできず、そのまま保有し続けて大損する
→ 「もう少し待てば戻るはず…」という期待にすがる。 - 高騰時に焦って買ってしまう
→ 「今買わないともう上がってしまう!」というFOMO(取り残される恐怖)による行動。
リスクを抑えるための対策
- 資金管理を徹底する
投資額は全資産の一部に抑え、「無くなっても大丈夫」な範囲に。 - 損切りルールを決めておく
例:10%下がったら売却するなど、自分ルールを設定。 - 長期目線を持つ
短期の値動きに惑わされず、数ヶ月~数年単位での成長を信じて保有するスタイルも有効。 - 分散投資を心がける
1つの銘柄に集中せず、複数の通貨に分けることでリスクを分散。
ボラティリティは、仮想通貨の最大の魅力であり、同時に最大のリスクでもあります。
大きなリターンを狙える反面、相応のリスク管理と冷静さが必要不可欠です。
特に初心者は、「感情に振り回されない」「計画的な投資を行う」ことが成功の鍵となります。
2. 流動性リスク(取引成立の難しさ)
流動性(Liquidity)とは、ある資産がどれだけスムーズに売買できるか、
つまり「買いたいときにすぐ買え、売りたいときにすぐ売れるか」という市場の性質を表す指標です。
この流動性が低いと、思った価格で売却できない・注文がなかなか成立しないといった問題が起こり、
これを「流動性リスク」と言います。
具体的な状況例:
・マイナーコインで起きがちなケース
ある無名のアルトコインを10万円分買って保有していたが、急落前に売りたいと思っても、買い手がいないために売れない。
・板(注文)情報が薄いケース
売り注文と買い注文の間に価格差(スプレッド)が広く、少し大きな注文を入れただけで、価格が大きくズレて約定してしまう。
なぜ流動性リスクが発生するのか?
【通貨の知名度・人気】
有名な通貨(例:ビットコイン、イーサリアム)は世界中の投資家が取引しているため流動性が高く、いつでもスムーズに取引できます。一方で、草コインやマイナーなアルトコインは、取引している人自体が少ないため、買い手・売り手が不足しやすくなります。
【上場している取引所の規模・取引量】
大手取引所(例:Binance、Coinbase)では流動性が高く取引も活発です。
一方で、小規模な取引所では、取引板がスカスカで注文が通りにくいこともあります。
【市場の時間帯や相場状況】
夜間や休日など、市場参加者が少ない時間帯では注文が減り、流動性が低下する傾向があります。
また、大きな下落局面では「買いたい人がいない」ために売れなくなるなどもケースも。
初心者が直面しやすいリスク
- 価格を大きく下げないと売れない
→ 本来100円で売れるはずの通貨が、板が薄いために90円、80円と値段を下げても売れず、損を広げてしまう。 - 注文が通らず焦る
→ 急落時に逃げ遅れ、「もっと早く売っておけばよかった」と後悔。
スプレッドが広い取引に手を出してしまう
→ 「買った瞬間から含み損」になるような通貨も。
リスクを回避するための対策
✔ 事前に流動性を確認する
取引所で該当コインの24時間取引高(volume)を確認。
取引板を見て、注文数や価格帯に偏りがないかチェック。
✔ メジャー通貨を中心に投資する
・初心者は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など流動性の高い通貨に絞るのが安全。
✔ 取引量の多い取引所を選ぶ
国内でも比較的取引量の多い取引所(例:bitFlyer、GMOコイン)や、世界的な大手(Binanceなど)を使うことで流動性リスクを下げられる。
✔ 成行注文よりも指値注文を使う
成行注文は板が薄いと大きな価格ズレが起きるため、
「この価格なら売ってもいい・買ってもいい」という価格を決めて指値注文を出す方が望ましい。
流動性リスクは「売りたくても売れない」「思った価格で取引できない」という見えにくい落とし穴。
特に初心者が話題性だけでマイナー通貨に手を出すと、利益を出すどころか逃げられなくなって損失を抱えることも。
仮想通貨の投資では、「価格」だけでなく、「流動性」も重要な判断材料であることを常に意識してください。
3. 取引所の破綻・ハッキングリスク
仮想通貨を購入・売却する際、多くの人が利用するのが仮想通貨取引所(取引プラットフォーム)です。しかし、これらの取引所には「資産を預けている」というリスクが存在します。取引所がハッキングされる、あるいは経営破綻することによって、自分の資産が失われる可能性があるのです。
【実際に起きた有名な事件例】
● マウントゴックス事件(2014年)
被害規模:85万BTC(当時約470億円相当)
東京に拠点を置いていた世界最大規模のビットコイン取引所が、ハッキングにより大量のビットコインを不正送金され、破綻。
被害者数は10万人以上。未だに資金回収が完全には終わっていません。
● Coincheck事件(2018年)
被害額:約580億円相当のNEM(ネム)
技術的に安全性が低い「ホットウォレット」でNEMを管理していたことが原因で、ハッカーにより盗難。
被害者に対して補償はされたものの、日本国内の仮想通貨取引所の規制が一気に強化される契機。
【なぜ取引所は狙われやすいのか?】
巨額の資金が集中
・複数のユーザーの資産がまとめて管理されており、「デジタル金庫」のような存在。
→ ハッカーにとっては**“一度に大金が盗める”魅力的な標的**。
ホットウォレットの脆弱性
・常時ネットに接続されている「ホットウォレット」は利便性が高い分、外部からの侵入リスクが高い。
・安全性の高い「コールドウォレット(オフライン管理)」を使っていない場合、資産は危険にさらされる。
経営の不透明さ・内部不正
・中小規模の取引所では、資金の流れが不明瞭なケースも。
・破綻・倒産・出金停止といった事態が突然発生することもあり、ユーザーが泣き寝入りするケースも。
【初心者が陥りがちな誤解】
「大手だから安心」ではない
→ 大手でも被害を受けた例は過去にあり、完全な安全は保証されていない
取引所に預けたまま保有し続ける
→ 購入した通貨をそのまま取引所のウォレットに放置している人が多いですが、これはリスクが非常に高い行為です。
【資産を守るための具体的な対策】
✔ 信頼性の高い取引所を選ぶ
金融庁に登録された取引所や、セキュリティ認証(ISOなど)を取得している事業者を選ぶ。
セキュリティ対策状況や過去のトラブル歴などもチェック。
✔ 長期保有は「自己管理」が基本
購入後に長期保有する場合は、自分のウォレット(特にハードウェアウォレット)で管理することが鉄則。
例:Ledger Nano S、Trezorなどのハードウェアウォレット
→自己管理のメリット:取引所が潰れても、自分の資産には影響しない。
✔ 2段階認証など基本的な対策を怠らない
アカウントのログインや出金操作には必ず2段階認証(2FA)を設定。
パスワードの使い回しや、フィッシングサイトの利用は絶対に避ける。
取引所は「財布」ではなく「銀行窓口」
仮想通貨取引所は、あくまでも売買のためのプラットフォーム(通過点)であり、資産の保管場所ではない。
・売買後はすぐに安全な場所(自分のウォレット)へ移す。
・取引所に資産を置いたままにすることは、“他人の鍵付きロッカーに財産を預けている”ようなもの。
自分の資産は、自分で守る意識を!
4. レバレッジ取引リスク
仮想通貨の一部の取引所では、証拠金(一定額の担保)を元手に、何倍もの資金を動かす「レバレッジ取引」が可能です。
これにより、少ない資金で大きな利益を狙うことができますが、同時に損失も何倍にも膨らむという重大なリスクを伴います。
レバレッジ取引の仕組み
- レバレッジ2倍:1万円の証拠金で、2万円分の仮想通貨を売買できる
- レバレッジ5倍:1万円で、5万円分のポジションが持てる
つまり、「小さな資金で大きく賭ける」ことが可能になる反面、価格が不利な方向に動くと、その損失もレバレッジに比例して増加します。
損益のシミュレーション例
レバレッジ倍率 | 相場の下落率 | 実際の損失率 |
---|---|---|
1倍(現物) | -10% | -10% |
2倍 | -10% | -20% |
5倍 | -10% | -50% |
10倍 | -10% | -100%(破産) |
たとえば、10万円の証拠金に10倍のレバレッジをかけて100万円分のBTCを買った場合、BTC価格が
10%下落しただけで証拠金がゼロ=強制ロスカット(自動清算)になります。
ロスカットとは?
ロスカット(強制清算)とは、証拠金維持率(担保の残高)が一定基準を下回ると、取引所が自動で保有ポジションを強制的に売却・清算する仕組みです。
・一瞬の価格変動でも清算される可能性がある
・清算された場合、損失確定+再起不能になることも
・ボラティリティが高い仮想通貨市場では、わずか数分でロスカットされるケースも珍しくない
初心者が注意すべきポイント
❌ よくある誤解・失敗例:
- 「勝てば倍だから効率がいい!」 → 実際は負けたときのリスクが大きすぎる
- 「逆張りすればそのうち戻る」 → 戻る前にロスカットされる可能性が高い
- 「損切りができない」 → レバレッジ取引は損切りの判断力がなければ大損一直線
✅ 安全な対応策:
- 最初は現物取引(レバレッジなし)で経験を積む
- レバレッジをかけるなら、少額で試す/損切りルールを徹底する
- 証拠金維持率や清算ルールを事前に必ず確認しておく
レバレッジ=刃物
レバレッジ取引は、「使い方次第では便利な道具」であり、「扱いを誤れば自分を傷つける刃物」です。
プロトレーダーは徹底したリスク管理を前提に使っていますが、初心者が無知のまま飛び込むと、数分で資金を溶かすこともあり得ます。
・レバレッジは、利益も損失も“倍率で拡大”する両刃の剣。
・仮想通貨市場の価格変動は非常に大きいため、高倍率レバレッジとの相性は極めて危険。
・初心者は現物取引に絞り、まずは値動きに慣れることが最優先。
5. 法規制変更リスク
仮想通貨は比較的新しい技術であるため、各国政府はまだ対応を模索している段階です。そのため、ある日突然の法改正や政府の方針転換によって、投資環境が一変する可能性があります。
これが「法規制変更リスク」です。
規制の影響が大きい理由
仮想通貨市場は、国の法律や行政の決定に非常に敏感に反応します。
特に影響が大きいのは以下のような要素です:
- 仮想通貨の売買・所有・送金の禁止・制限
- 税制の変更(利益への課税強化)
- 取引所の営業許可の取り消しや停止命令
- 銀行・金融機関による仮想通貨関連サービスの制限
実際の規制による影響事例
中国の全面禁止(2021年)
- 仮想通貨のマイニングと取引が違法化
- ビットコインは数日で数十万円規模の暴落
- マイナー(採掘者)は国外へ移動、ネットワーク構造にも影響
日本の業務改善命令(2018年)
- 金融庁が複数の取引所に対してセキュリティ面の改善を命令
- 一時的に国内ユーザーの取引・出金に制限がかかり、不安が広がる
- 日本円の出金遅延なども発生
アメリカの証券規制(SECの提訴など)
- 特定の仮想通貨が「証券」に該当すると判断 → 上場廃止や取引制限
- 例:Ripple(XRP)はSECの提訴によって一時大きく価格が下落
どんな影響が起こるのか?
規制内容 | 投資家への影響 |
---|---|
取引禁止 | 売却できず資金がロックされる |
マイニング禁止 | 採掘難度の変化、ネットワーク不安定化 |
出金制限 | 利益確定ができない、資金移動の遅れ |
税制強化 | 利益に対する課税が重くなる |
投資家がとるべき行動
1. 最新ニュースの定期チェック
- 信頼できる情報源(公式発表・業界メディア)を定期的に確認
- SNSは速報性が高いが、誤情報に注意
2. 複数国・複数通貨への分散投資
- 特定の国の規制に依存しないよう、資産を分散
- ビットコインやイーサリアムなど、国際的に流通性が高い通貨を選ぶと安定性が増す
3. 信頼性のある取引所を選ぶ
- 国内でも金融庁登録済の取引所を使う(例:bitFlyer、GMOコインなど)
- 国際取引所も、ライセンスの有無や過去のトラブル履歴をチェック
4. ウォレットへの資産移動
- 規制強化で取引所のサービスが停止しても影響を最小限に抑えるために、
保有資産はできるだけ個人ウォレット(特にハードウェア型)に保管するのが安全
規制リスクは「無視できない」最大の外的要因
仮想通貨は、政府の一声で市場が数十%動くこともある特殊な資産クラスです。
特に日本や中国、アメリカなどの大国の動きは、世界全体に波及します。
「価格分析やトレードの技術だけでなく、法律と政策も“値動きの要因”」だという認識を持つことが、
仮想通貨投資では非常に重要です。
6. 送金ミスリスク
仮想通貨は、銀行送金と違って取り消しができません。
ブロックチェーンは一度記録された取引情報を誰も改ざんできないという性質を持ちますが、それは同時に「間違った送金も誰も止められない」ということでもあります。
送金ミスの2大パターン
【 アドレス間違い】
- 仮想通貨アドレスは英数字がランダムに並ぶ40~60文字程度の長い文字列
例:0x8F3D2a95e9aC3cB354C53d6B0CdEE9e5a8aF7B7C
- 手入力や誤コピーで 1文字でも間違うと、完全に別のアドレスに送金されてしまう
- 多くの場合、そのアドレスの持ち主と連絡がつかない=資産は永久に失われる
【ネットワーク選択ミス】
- 同じ仮想通貨(たとえばUSDT)でも、複数のブロックチェーンネットワーク上で存在します。
例:- Ethereum →
ERC-20
- Binance Smart Chain →
BEP-20
- Polygon →
Polygon (MATIC)
- Ethereum →
- 送信側と受信側のネットワークが一致していないと、着金しない/資産が失われる可能性
【よくある失敗事例】
ミスの種類 | 具体的なケース | 結果 |
---|---|---|
アドレス手入力 | 1文字だけ違う | 資産ロスト(回収不可) |
貼り付けミス | 途中でアドレスが切れていた | 資産ロストまたは失敗 |
ERC-20をBEP-20に送信 | 取引所側が対応していない | 通常は復元不可(一部サポート可能な場合も) |
チェーン未対応ウォレットに送信 | 受け取り不可・表示されない | 自分で秘密鍵を使って復旧する必要あり(難易度高) |
送金ミスを防ぐための対策
1. アドレスは必ずコピー&ペーストで入力
・手入力は絶対に避ける
・コピーしたアドレスの最初と最後4文字だけ目視で確認すると確実性UP
2. QRコードの使用
・スマホウォレットでは、アドレスのQRコード読み取り機能を活用するとミスが減る
3. 少額のテスト送金を行う
・いきなり大金を送らず、まずは数百円~数千円相当をテスト送金
・受け取り確認が取れてから、残りの金額を送る
4. ネットワークを送信前に必ずチェック
・同じ通貨でもネットワーク違いがある場合、
ウォレットや取引所で「対応ネットワーク」を明記しているページを確認
5. 送金履歴をスクリーンショットで記録
・何かトラブルが起きたとき、サポートへの問い合わせ時に有効
送金ミスが起きた場合の対応は?
・基本的にブロックチェーン上の取引はキャンセルできない
・ただし、取引所間の送金でネットワーク違いによる誤送金があった場合、
一部の取引所では「手数料を支払えば復元サポートをしてくれる」こともあります。
→ 取引所のサポートにすぐに連絡
仮想通貨送金は銀行以上に慎重な確認が求められる操作。
「確認を怠る=自己責任で資産を失う」ことにつながるため、
送金時は最低でも3回は確認してから送る習慣をつけるようにしてください。
7. 情報リスク(フェイクニュース・詐欺情報)
仮想通貨の世界では、情報のスピードと透明性が両刃の剣です。
ブロックチェーンはオープンな仕組みですが、投資家の多くがSNSや掲示板で情報を得ており、誤情報や噂、ポジショントークに惑わされることが非常に多くあります。
なぜ仮想通貨では情報リスクが特に高いのか?
- 価格変動が激しく、感情的に売買されやすい
→ 一つのニュースで相場が大きく動く - 規制が緩いプロジェクトが多く、宣伝手法も過激
→ 嘘でも「話題になった者勝ち」という空気がある - 誰でも発信できる環境(X、Telegram、Redditなど)
→ 発信者の正体が不明でも信じられてしまう - 詐欺プロジェクトや“仕手”が意図的に嘘を流す
→ 一時的に価格を吊り上げて売り抜ける(ポンプ&ダンプ)
よくある誤情報・フェイクニュースのパターン
種類 | 例 | 影響 |
---|---|---|
偽の提携情報 | 「Googleと提携!」「Amazonと連携!」など根拠のない発表 | 瞬間的に価格が急騰、その後暴落 |
架空プロジェクト | 「AI×ブロックチェーン」「Web3医療革命」などトレンドワードを並べただけ | トークンを発行して資金を集め、開発せず逃亡(ラグプル) |
偽インフルエンサー情報 | フォロワーを買った偽アカウントが「これは今買い!」と煽る | 初心者が高値掴みして損をする |
偽の政府発表 | 「○○国で法定通貨として採用される!」などの誤情報 | 国家関連は影響が大きいため、暴騰暴落の火種に |
実際に起きた例(実話)
- 2018年:Verge(XVG)
- 「大企業とパートナーシップ発表」という期待がSNSで拡散
- 実際の提携相手は成人向けサイト「Pornhub」
→失望売りで暴落
- 2021年:Squid Gameトークン詐欺
- 人気ドラマ「イカゲーム」に便乗して登場
- 実はNetflixとは無関係、開発者が資金を持ち逃げして99.99%暴落
どうすれば情報リスクから身を守れるか?
1. 情報の「一次ソース」を必ず確認
・公式サイト・ホワイトペーパー・公式SNSに自分でアクセス
・「誰が言っているか」より「どこで正式に発表されたか」を重視
2. 過剰な期待を煽る発言に注意
・「確実に上がる」「億れる」「100倍トークン」など、断定的な表現を使う人は要警戒
3. 信頼できるメディアを活用
・大手取引所(Binance、Coinbase、bitFlyerなど)の公式発表
・専門ニュースサイト(CoinDesk、Cointelegraph、CryptoSlate、日本ならコインテレグラフジャパンや日経電子版など)
4. 投資判断を「自分の調査」
・DYOR(Do Your Own Research:自分で調べろ)という仮想通貨の鉄則
特に新興プロジェクトは、
以下の点を自分で確認すること
・実際に動くプロダクトがあるか
・GitHubなどで開発履歴があるか
・開発チームが実名か、過去の実績があるか
・トークンの配分比率(運営が保有しすぎていないか)
仮想通貨の世界では「情報=武器」です。
ただし、その情報が“本物かどうか”を見極める力がないと、むしろ情報に殺されることになります。
「儲かる話は、声が大きくなるほど信用できない」
「一番うまい話は、一番静かに流れている」
この感覚を常に持ち、
自分の資産は自分の目と頭で守るという意識を持ってください。
仮想通貨投資で絶対に実践すべきリスク管理7つのポイント

ここからは、仮想通貨投資で必ず押さえておくべきリスク管理の具体的な方法を7つのポイントにまとめて解説します。
これらはすべて初心者でもすぐに取り入れられる実践的な内容ですので、
ぜひ一つずつ確認し、自分の投資に取り入れてみてください。
1.【分散投資】複数の仮想通貨・取引所に資金を分ける
仮想通貨の世界では「一点集中」は非常に危険です。
なぜ重要?
- 1つの通貨が暴落しても、他の通貨で損失をカバーできる
- 取引所が停止・破綻しても、他の取引所に資産を置いておけば被害が分散される
実践方法:
- ビットコインだけでなく、イーサリアムやステーブルコイン(USDT、USDC)も組み合わせる
- 国内取引所と海外取引所、そして自分のウォレットを併用する
2.【資金管理】必ず「余剰資金」で投資を行う
生活費や緊急資金を仮想通貨に使ってしまうのは、もっともやってはいけないリスク管理の失敗です。
理由:
- 値動きに一喜一憂して冷静な判断ができなくなる
- 価格が下落してもガチホ(長期保有)できず、損切りを強いられる
実践ポイント:
- 収入のうち、生活費・固定費・貯金を除いた「使っても良いお金」で投資する
- たとえ価格が50%下がっても、慌てずに待てる金額に留める
3.【損切りルール】あらかじめ「損失許容ライン」を決めておく
損切りとは、「これ以上損失が拡大する前に売る」という自分の身を守るためのルールです。
なぜ必要?
- 含み損を抱えたまま「戻るかも」と放置→さらに下落→資金が消える
- 感情に左右されずに冷静な判断ができる
実践例:
- 「購入価格から10%下落したら売却する」と明確に決めておく
- 取引所の「指値売り注文」「ストップロス注文」機能を活用する
4.【セキュリティ対策】2段階認証+ハードウェアウォレットの活用
仮想通貨は「自分で守る資産」です。
銀行のように預けておけば安心という考えは通用しません。
最低限のセキュリティ対策:
- すべての取引所アカウントにGoogle認証などの2段階認証(2FA)を設定する
- 大きな額の仮想通貨は取引所に置かず、ハードウェアウォレット(Ledger、Trezorなど)で保管
5.【情報収集】信頼できる情報源から学ぶ
SNSやYouTubeなどにはフェイク情報や煽り投稿が溢れています。
それらに踊らされて投資判断を誤るのは、初心者によくある失敗です。
おすすめの情報源:
- CoinDesk、Cointelegraph などの仮想通貨ニュース専門メディア
- 取引所の公式ブログやメール通知
- ホワイトペーパーや開発チームの公式SNS
注意:
「●●コインが絶対上がる」などの発言には要注意。基本的に確実な未来など存在しません。
先述の通り、レバレッジ取引はハイリスク・ハイリターン。
初心者はまず現物取引(レバレッジなし)で仮想通貨の値動きに慣れることが重要です。
もしレバレッジ取引をする場合:
- 1〜2倍程度の低レバレッジに留める
- 損切りラインと証拠金維持率を必ず事前に確認する
7.【定期的な見直し】ポートフォリオを定期的にチェック・調整
仮想通貨市場は、数ヶ月で環境が大きく変化します。
そのため、一度組んだ投資戦略を放置するのはリスクです。
実践方法:
- 毎月または四半期ごとに保有通貨の割合を見直す
- 成長性が落ちた通貨や、ニュースに不安要素がある通貨は一部売却する
- ポートフォリオのバランスを整えるためにリバランスを実行
上記のポイントは、
仮想通貨投資を「ギャンブル」ではなく戦略的な資産運用にするための基本です。
初心者こそ、これらの基礎をしっかり実践することで、急な暴落や不測の事態にも冷静に対応できるようになります。
まとめ

「仮想通貨は危ない」と言われがちですが、それはリスク管理を怠った結果です。
正しく知り、正しく使えば、仮想通貨はあなたの資産形成において強力な武器になります。
初心者の方こそ、投資を始める前に
まずは以下の行動から始めてください:
【初心者におすすめのアクションプラン】
・信頼できる国内取引所(Coincheck・bitFlyer・GMOコイン)で口座を開設する
・1万円程度の少額から実際に購入して値動きを体験する
・ 損切り・目標利確ラインなど、自分なりのルールを紙に書いておく
・ セキュリティ設定(2段階認証・ウォレットの検討)を忘れずに
・ 月に一度、自分の資産状況を見直す習慣をつける
仮想通貨の世界では「自己責任」が原則です。
でもだからこそ、正しい知識と行動で“失敗を回避する力”を手に入れることができます。
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