オンラインカジノをプレイする際に知っておきたいのが税金と確定申告です。
税金や確定申告の正しい知識を持っていなければ、オンラインカジノのプレイによって脱税に問われることもあります。
「オンラインカジノでいくら稼いだら確定申告が必要なのか」
「税金の計算はどうやって行うのか」
など、オンラインカジノの税金と確定申告について知識がほとんどないという方も多いでしょう。
この記事ではオンラインカジノの税金と確定申告について詳しく解説していきます。
確定申告の有無で不安になっている方も、安心してオンラインカジノを楽しめるようになりますよ。
オンラインカジノで稼いだお金は一時所得で確定申告が必要
オンラインカジノで稼いだお金は一般的に「一時所得」として扱われ、確定申告が必要となります。
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外で、急に手に入ることになったお金のことです。
国税庁が公開している一時所得の例として以下のようなものが挙げられています。
・競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
・生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
・法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
・遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
オンラインカジノは上記のうち、(2)に該当するため一時所得として扱われます。
そしてこの一時所得は、課税対象に含まれ、1年間で特別控除の50万円を超えて稼いだ場合に確定申告が必要です。
事業としてプレイしているのなら雑所得で確定申告できる
オンラインカジノを娯楽ではなく、事業としてプレイしている場合は「雑所得」で確定申告が可能です。
これは先ほど挙げた国税庁の一時所得の例(2)に「営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。」と記載があるからです。
一時所得の場合は勝ったときのベット額しか経費にできませんが、雑所得の場合は負けたときのベット額も経費にできます。
これらの事例はどちらも営利を目的とする継続的行為から生じたものと認められたことが決め手となっています。
過去に「オンラインカジノは一時所得か、それとも雑所得か」に関する裁判は起きていませんが、もし今後争われる場合には「営利を目的とする継続的行為」と認められるかが論点となってきそうです。
とはいえ、オンラインカジノで稼いだお金は一般的に「一時所得」として扱われるため、この記事でも一時所得として解説を進めます。
オンラインカジノの確定申告で経費にできるもの
オンラインカジノの確定申告では以下の2つを経費として計上できます。
この経費分は収入金額から差し引けるため、税金を減らすことに繋がります。
・出金する際の手数料
勝ったときのベット額
一時所得は直接収入を生み出したときの経費しか認められていません。
オンラインカジノの場合は、勝ったときのベット額が経費として計上できます。
先ほども述べたように、負けたときのベット額は経費として計上できないため注意してください。
・1万円をベットして外した場合→経費に認められない
出金する際の手数料
オンラインカジノから出金する際には手数料が差し引かれます。
この手数料についても経費として計上可能です。
オンラインカジノのアカウントから出金する際の手数料は経費に計上することができます。
オンラインカジノの一時所得にかかる税金の計算方法
オンラインカジノで稼いだ金額は先ほども述べたように、一時所得として扱われます。
この一時所得にかかる税金(所得税)の計算は以下の3つの手順で行えます。
2.一時所得から課税対象額を計算する
3.給与所得と合わせて所得税を計算する
ここでは、Aさんのプレイ結果を用いて一時所得にかかる税金を見ていきましょう。
↓をAさんのプレイ結果として実際にオンラインカジノでかかる税金を確認してみます。
日付 | 支出額(ベット額) | 収支金額 |
7月7日 | 30万円 | 100万円 |
8月7日 | 30万円 | 100万円 |
9月7日 | 30万円 | −30万円 |
10月7日 | 40万円 | 100万円 |
合計 | 100万円(損失時の30万円は経費にならない) | 300万円(+のみの合計) |
一時所得の金額を計算する
まずはオンラインカジノで稼いだ一時所得の金額を計算します。
一時所得の計算式は↓のようになります。
一時所得=収入金額−支出金額−特別控除(最大50万円)
オンラインカジノの税金は勝ったときのみ発生するため、損失時の金額は含めて計算しません。
このことからAさんの場合は収入金額が300万円、支出金額が100万円ということになります。
先ほど挙げた一時所得の計算式に当てはめて計算すると、Aさんの一時所得は150万円だとわかります。
一時所得から課税対象額を計算する
一時所得が算出できたら、次に課税対象額を計算します。
課税対象額は一時所得の半分となっているため、Aさんの場合は75万円が課税対象です。
給与所得と合わせて所得税を計算する
所得の課税方法は2種類あります。
・分離課税 : 他の所得と分離して所得税を計算する
オンラインカジノの課税方法は総合課税に該当し、所得税の計算式は↓のようになります。
所得額=給与所得+一時所得の課税対象額
所得税=(所得額−控除額)×税率
Aさんの一時所得の課税対象額は先ほど計算した通り75万円、給与所得を500万円だと仮定すると、Aさんの所得額は↓のようになります。
所得額=500万円+75万円=575万円
また、所得税の計算式に含まれている税率および控除額は平成27年度以降、以下のように定められています。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
この表と先ほど計算した所得額575万円を元に所得税を計算すると、Aさんが支払うべき所得税は↓のようになります。
所得税=(575万円−427,500円)×20%=1,064,500円
ここではAさんのプレイ結果から所得税を計算してきましたが、自分で計算する場合も流れは同じです。
Aさんの数値を自分の金額に変更して計算してみましょう。
オンラインカジノで税金が発生するタイミング
オンラインカジノで税金が発生するタイミングは、ゲームで利益が発生した時点です。
自身の口座に入金した時点で税金が発生するという誤った情報も広まっているため勘違いしないように注意してください。
払戻金のあったゲームはそのタイミングで権利が確定しますので、その時点で一時所得の収入になります。
オンラインカジノの節税がしたいなら利益は70万まで
オンラインカジノの節税対策で行えることは1年間で70万円以上の利益を上げないことです。
この70万円という金額は、特別控除額50万円と、給与以外の所得が20万円以下の場合は申告が必要ないことから算出しています。
例えばオンラインカジノによる収入金額が100万円で、支出金額が40万円の場合を考えてみましょう。
一時所得の計算式
一時所得=収入金額−支出金額−特別控除(最大50万円)
上記の計算式を元に一時所得の計算を行うと、
一時所得=100万円−40万円−50万円=10万円
となります。
この場合は一時所得が10万円となっており、20万円以下であることから税金はかかりません。
ただし、オンラインカジノ以外にも一時所得を得ていて、合計が20万円を超える場合は所得税が発生します。
オンラインカジノの確定申告のやり方
その年の1月1日から12月31日に一時所得で70万円以上を稼いだ場合は確定申告が必要です。
もし、70万円を超えている場合は以下の1~3の手順を参考にして確定申告を行いましょう。
- 確定申告に必要な書類を揃える
- 確定申告書を作成する
- 確定申告書を税務署に提出する
確定申告の申告期間は、申告対象となる年の翌年2月16日から3月15日までと定められています。
確定申告に必要な書類を揃える
確定申告時には、確定申告書を除いて以下の3つが必要となります。
・経費の領収書
・源泉徴収票(2019年4月以降提出義務なし)
支払調書はオンラインカジノに問い合わせることで発行してくれる場合があります。
万が一、発行してくれない場合は専用ソフトやエクセルなどを用いて収支表の作成が必要です。
また、経費の領収書は勝ったときのベット額と出金する際の手数料を記載した資料です。
税務署に提出する必要はありませんが、提示を求められた際に必要となるため用意しておきましょう。
確定申告書を作成する
確定申告書は税務署で受け取るか、国税庁のホームページからダウンロードできます。
この確定申告書には2種類あります。
・確定申告書A:基本的に会社員やアルバイト・パートの方が利用する
・確定申告書B:基本的に個人事業主や副業による事業所得がある方が利用する
普段、会社員をしていてオンラインカジノで得た一時所得の申告を行う場合は「確定申告書A」です。
名前や住所、所得などの必要事項を記入して確定申告書を作成しましょう。
確定申告書を税務署に提出する
確定申告書の記入を終えたら1.で用意した支払調書もしくは自身で作成した収支表とともに税務署に提出します。
税務署への提出方法も2種類あります。
・税務署の窓口に提出する
・郵便で提出する
初めてオンラインカジノの確定申告を行うのであれば、内容を一緒にチェックしてもらえる窓口への提出がおすすめです。
郵便で提出する場合は、間違いがあったとしても一旦そのままの数値で受理されてしまうことからミスに気づけません。
万が一、間違いがあり税務署から指摘された場合は、加えて過少申告加算税を支払う必要があります。
過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%相当額です。
ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%になります。出典:国税庁 No.2026確定申告を間違えたとき(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm)
無駄な税金を支払わないでいいように、よく確認してから郵送するようにしましょう。
オンラインカジノで稼いだお金を脱税するとバレる?
結論から述べると、オンラインカジノで稼いだお金を脱税するとバレます。
これは、オンラインカジノは金融機関を介して入出金を行っているからです。
金融機関は、海外から100万円以上の送金があった場合、税務署に報告する義務があります。
オンラインカジノの入出金の記録が金融機関に残ってしまうことから、疑われてしまうと徹底的に調査されてしまうのです。
100万円以上の送金がない場合でも記録自体は残っているため、調査されれば間違いなく脱税はバレてしまいます。
ただでさえオンラインカジノは法律のグレーゾーンですから、申告義務を守った上で楽しみましょう。
ちなみに2021年12月現在、オンラインカジノで実際に脱税して逮捕された事例は報告されていません。
オンラインカジノの税金についてのまとめ
この記事ではオンラインカジノの税金と確定申告について詳しく解説してきました。
オンラインカジノで稼いだお金は、一般的に「一時所得」として扱われ、50万円を超えて稼いだ場合に確定申告が必要です。
ただし、給与所得者は特別控除の50万円を差し引いた金額が20万円以下なら確定申告が必要ないため実質70万円となります。
「超えてるかも…」と不安な方はこの記事で紹介した「一時所得にかかる税金の計算方法」を参考に計算してみてください。
確定申告を行わずに脱税を行うと金融機関に入出金の記録が残っていることからバレてしまいます。
きちんと申告義務を守った上で楽しむようにしましょう。
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